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しゃぼん玉〜野口雨情の詩による童謡メドレー〜(合唱:女声三部:シンセ音源 ピアノ伴奏のみ)

三部
[演奏時間]:13分16秒

「しゃぼん玉〜野口雨情の詩による童謡メドレー〜」の各曲の解説
文:アベタカヒロ《十五夜お月さん》
メドレーの幕開けは静かに始まります。1番はソプラノとメゾによるユニゾンで、まだまだハーモニーも出し惜しみ。2番に入った所で一気に3声体の合唱ハーモニーが響き渡ります。合唱って素敵だな、そんな想いもこの瞬間に少しでも伝えられたら嬉しいです。3番の最後は詩の物哀しさを助長するかのようにやや悲痛な和音を選びました。fでしっかり気持ちを乗せてください。《七つの子》
前の曲で作られたであろう切なげな空気を“ファッ”と明るいものに切り替えましょう。伴奏は細かい16分音符が主体ですが、歌のテンポとしてはむしろゆっくりめに感じられると思います。イメージとしては“流れるピアノに乗って優しく歌いあげる”感じです。「〜からよ」、「〜ごらん」、「〜だよ」などの語りかけの部分では特に優しい気持ちになって歌ってみてください。途中、ソプラノには主旋律の上をいくハーモニーや主旋律の追いかけが出てきますが、裏方にまわった感じで小さくならず堂々と前に響かせてください。《赤い靴》
短調再びですが、「十五夜お月さん」よりもぐっと重たい空気に変えてしまいましょう。4番まである曲ですが、全体を1つの物語ととらえてアレンジしましたので、1コーラスが終わって休符に入っても雰囲気をキープしてください。間奏に出てくる「いっちゃったー」は寂しさを表現して。4番の入りでは主和音を用いず、ことさら寂しさの募る気持ちを煽ろうと思いました。ritとフェルマータの箇所ではデクレッシェンドを効果的に聴かせてほしいです。《シャボン玉》
この詩には、雨情の子供が幼くして亡くなったことへの悲しみが比喩的に表現されている、とする解釈が存在しています。真実は定かではないようですが、あえてこの解釈を全面に押し出すアレンジを目指しました。冒頭はア・カペラの教会音楽のように祈るような気持ちで。ピアノのポツ、ポツ、といった音型はシャボン玉が飛んだり消えたりする光景をそのまま表したものです。2番まで歌ったあとに改めて1番から同じハーモニーで繰り返しますが、ピアノは音型や和声を変えて単純な繰り返しにならないようにしています。最後にコーダとして、1番2番それぞれの冒頭のみを付け加えました。アルトがGにすっと落ちる所は特に印象的に。《兎のダンス》

元気な世界に様変わり!可愛らしいウサギになりきってしまいましょう。この曲も「シャボン玉」同様、2番のあとに改めて1番から歌いますが、転調やaccel.などを用いて軽快なウサギの様子を分かりやすく表現してみました。キモは何と言っても2番のあとの間奏と3番でしょう。間奏では声にあわせて体を揺らすなど、楽しい雰囲気が生まれてほしいです。3番の足踏みでは左右どちらの足で踏みならすかは自由にお任せします。
《雨降りお月さん》

前の曲の雰囲気が直ちに消えなくても構いませんので8小節の前奏の間にゆっくり呼吸を整え、歌い出しまでにはしっかり気持ちを切り替えておきましょう。メゾの「Ah」は主旋律の奥にそっと流れる感じで。途中、アルトにとっては希少なソロを置いています。上のパートは対位法的に続いていきますので、しっかり主導権をとって歌を前に響かせましょう。間奏ではちょっとお洒落に鈴の音を回想して。2番は1番とはメロディが異なっていますのでつられないよう気をつけましょう。特集「唱歌・童謡コーラスワールド第2弾」

サンプル

税込価格:157円 (本体143円)

ファイル形式: mp4

ファイルサイズ: 30 MB

個数

[商品コード]
eovo00000292
[メーカー]
東京書籍

この商品のシリーズ

音源ファイル

[歌い出し]
十五夜お月さん 御機嫌さん 婆やは お暇とりました
[コメント]
収録曲(メドレー順)
(1)十五夜お月さん
(2)七つの子
(3)赤い靴
(4)シャボン玉
(5)兎のダンス
(6)雨降りお月さん

1コーラスの短い童謡を合唱として、それもメドレーという切れ目のない形で演奏するにあたりどういったアレンジが考えられるか、それが私にとって最初の課題となりました。曲は雨情の代表的な作品から6つを選んで発表の年代順に並べられたもので、始まりは「十五夜お月さん」、結びは「雨降りお月さん」。そして前半3曲の作曲者は本居長世、後半3曲は中山晋平と、ある種の意図をもってセレクトされています。「親しみやすい合唱」を常に心がけつつも、ときに詩に対して過剰に反応して表情づけを施したり和音を大胆に変えたりもしています。童謡の新たな一面を探るような気持ちで楽しんでいただけたら幸いです。(編曲者 アベタカヒロ)
[ワンポイントアドバイス]
メドレーですので、まずは作品全体のクライマックスを想定して作り上げていくことが大切になってきます。とっておきのf、とっておきのpを用意したいものです。また、曲間では、次の曲の表情やテンポにすぐ移れるような心の準備も必要になってきますね。また、短調の作品はどうしても声が暗く沈みやすくなるため、声の響き自体が暗くならないようにしたいものです。(合唱指揮者 田中エミ)
[作詞者]
野口雨情
[作曲者]
本居長世
[作曲者]
中山晋平
[編曲者]
アベタカヒロ