ゆーたん音楽堂[音楽専門館]

週めくり ゆ〜たん音楽堂《音楽万華鏡》

当世女子大生的音楽事情 Vol.8

第8回は、私たちの理想の結婚事情について。

 「妻」……女子大生にとっては未知の世界でございます。が、この世にはいくつもの「超著名で超多忙な夫を支えた妻の美談」が存在します。将来のダンナ様が有名であったり権威のある人であったりしてほしいとは思いませんが、世界に認められた人に唯一愛され、支えとなった人の、女としての誇りはどれだけのものだろうとやっぱり羨ましく思ったりもします。

 今回ご紹介するのも、世界に認められた「マエストロ」を、30年以上支えた妻の著書です。このおとぎ話(もちろんノンフィクションですが、当世女子大生からすれば、これはおとぎ話!)、他の夫婦の物語と特に何が違うかというと、夫は出会った時にすでに世界的に有名な指揮者だった、ということです。無名の夫が有名になるまでを支える過程がなくてラッキーだったね、とはとても思えません。年齢差は最後まで明らかにされていませんが、ディオールのモデルとして写真に収まっていた彼女が、このかなり年の離れたマエストロ、生涯のパートナーと出会ったのは18歳の時。偉大な彼のパートナーがこんなちっぽけな小娘でいいのだろうか、と劣等感に何度も悩まされたことでしょう。それは私がちっぽけな女子大生だからこそ、容易に想像できます。

 彼らの名前、もうお分かりでしょうか。

  • エリエッテ・フォン・カラヤン 著
  • 株式会社アルファベータ
  • 2008年7月刊
  • ISBN 9784871985574
  • 定価 本体2000円+税

 年の差、劣等感がうんぬんとはいっても、カラヤンにとってエリエッテが本当に必要な存在だったことが分かるエピソードが随所に記されています。家庭を支える人として、最愛の人としてだけでなく、仕事上の大事な相談相手としても。年の差、才能の差なんてしょせん世間のいうこと、お互いが認め合っていればそれで十分なのだということに、エリエッテが気づいたからこそ、二人は何十年も支え合っていけたのですね。まさに理想の関係!
 二人の愛の物語だけでなく、妻エリエッテの目から見たカラヤンの仕事ぶり、これももちろん必読です。今年は書店でもレコード店でもホールでもカラヤン、カラヤン、ですが、生誕100年だからこそ、エリエッテは自分の口から最愛の夫について語ることを決意してくれたのかもしれません。彼女の決意に感謝、ですね。