ゆーたん音楽堂[音楽専門館]

週めくり ゆ〜たん音楽堂《音楽万華鏡》

当世女子大生的音楽事情 Vol.6

第6回は、私たちの進路事情について。

 私は大学の音楽科に身を置いています。はっきりとは覚えてないけれど、小学校高学年のころから、音大に行けたらいいなぁという漠然とした夢がありました。しかし、「大学を出てからどうする?」ということを考えられる年になってから、そして、「どうやらプロの演奏家にはなれそうもないぞ?」ということに気づいてから、音大に行ってよいものか迷うようになりました。そこで、ピアノの先生に相談したところ、先生は「音大を出て、音楽とは全然関係のない仕事に就く人の方が多い」ということを教えてくださいました。
 その当時、「プロの演奏家にならない音大生のほとんどは、学校の先生か、音楽教室の先生か、音楽関係の企業で働く(働ける)だろう」と思っていた私は驚きました。というかショックでした。迷いに迷った末、それでも、音楽科を受けることに決めました。結局のところ、音楽関係の仕事に就けないかもしれない、音楽関係の仕事じゃないなら他の学科の方が有利かもしれない、という事実を知っても、「音楽が好きだから音楽の勉強がしたい」という気持ちだけは変わらなかったからです。
 そして今、音楽科の学生になり、この選択でよかったと思っています。しかし、やっぱり進路を決める際には困りました。音楽関係の仕事を探そうにも、入学時から「音楽関係の仕事の種類、企業の名前」の知識、情報がちっとも増えないのです。かと言って、音楽関係以外の就活の情報も全然入ってこないのです。もちろん、自分で働きかければ情報は集まります。しかし、「他の学科に比べて入ってくる情報が少ないから、自分で積極的に集めなければならない」ということにさえなかなか気がつける環境ではないのです。環境のせいにしてあきらめたり逃げたりするつもりは毛頭ありませんが、これが「当世音大生」の現実であることは確かです。

 これを読んでくださっている、音大を受けようと思っている皆さん、音大生でこれから進路について考えようとしている皆さん、ここまで読んで「やっぱり音大生はたいへん! 不利!」と思う前に、ちょっとこの本を読んでみてください。音大受験生、音大生の生徒を持つ先生方もぜひ。
  • 久保田慶一 著
  • 株式会社スタイルノート
  • 2008年7月刊
  • ISBN 9784903238203
  • 定価 本体1600円+税

 もちろん、今読んでも発見がたくさんあります。「大学を卒業してから、職業で演奏しなくても、15年以上弾いてきたピアノを生かせる場所はあるんだ!」というのもうれしい発見の一つです(だから学生時代ずっと楽器や合唱をやっていたけれど、今はさっぱり……という社会人の方にもお薦めです)。でも、進路について一から考え始める、大学1、2年生の時にこの本に出会いたかったなぁ!と読み終えて強く思います。音楽とかかわっている、かかわっていきたいすべての人に薦めたいけれど、やっぱり音大受験生、音大1,2,3年生に特に読んでほしい本です。なんと我らがゆーたん音楽堂店主、坂元さんも登場しています。